雇用

「会社の業績が思わしくないので解雇します。明日から来なくていいです」というように、使用者である上司や店長などが、突然、労働者を解雇、首切りすることは不当解雇なので許されません。

正社員だけではなく、パートやアルバイトであっても同様です。

突然の解雇、首切り、派遣切りは違法です!

雇用のイメージ

解雇されても仕方がない?
そんなことはありません。

労働者を解雇するには客観的に合理的な理由があり、しかも社会通念上相当であると認められるものでなくてはなりません。当然ながら、一方的な通告で済まされるようなものでもありません。また、有期雇用契約の場合、契約期間内の解雇も違法です。

経営状態がおもわしくない場合であっても、それ相当の要件(整理解雇の4要件)が整わなければ解雇は出来ません。

労働基準法では、30日前に解雇予告をおこなうか、解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)の支払いが必要とされており、その場合も正当な理由が必要となっています。

整理解雇の4要件

会社が経営難で整理解雇する場合も以下の4要件すべてを満たさなければその解雇は無効です。

「会社の業績が思わしくない」という理由だけでは通用しません。

整理解雇の4要件

  1. 高度の経営危機
  2. 解雇回避のための相当の努力
  3. 人選基準が合理的
  4. 解雇の必要性等について労働者や労働組合に説明する努力

解雇・退職強要を退ける10カ条

労働条件は労使が対等の立場で決めるものです。

賃金や労働時間と同様に「どこで働くか」は重要な労働条件です。納得のいかない配転や出向、退職勧奨には毅然とした態度で臨むことが大切です。

解雇・退職強要を退ける10カ条

  1. 「辞めません」
    退職勧奨におよぶ一切の言動に対しては「辞めません」とはねつけましょう。
  2. やっぱり「辞めません」
    辞めない理由を言うと逆につけこまれます。「辞めません」が最強です。
  3. 退職強要にはきっぱり抗議を
    「辞めません」といっているのに二度、三度と呼び出すのは退職強要です。抗議しましょう。
  4. 人権蹂躙には厳重抗議を
    別室に机ひとつで事実上軟禁されるようなことを強要されたり、仕事を与えない、させないなどの仕打ちは人権蹂躙です。厳重に抗議しやめさせましょう。その事実(誰が、いつ、何を、どのように言ったか、等)を必ずメモしておきましょう。
  5. 出向・配転・移籍も断りましょう
    辞めないと出向・配転がやられるというなら、それは「その時考えます」と答え、「辞めません」を貫きましょう。辞めないと損をすると言われたら「働いていれば給料が入り退職金も増えます。辞めたら退職金を食いつぶすだけです」と答えましょう。
  6. 会社より自分が大変
    「会社が大変だ、協力してくれ」というのなら、「私の生活が大変です。会社は辞めた後の生活を見てくれますか。会社再建のためにも私に頑張らせてください。」といいましょう。
  7. おだてに乗らずに謙虚に拒否を
    「この際、下請けに行って君の実力を大いに発揮してくれ」、と言われたら「私はいいです。あなたがそうされたらどうでしょう。」といいましょう。
  8. 家族は首切りに反対です
    『短気は損気』頭にきたら負けです。奥さんのこと、子供のことを思い浮かべて踏みとどまりましょう。家族は首切りに反対しています。
  9. 最後は黙秘でも頑張りましょう
    会社の説得に言葉が詰まったら「とにかくわたしは辞めません」といい、あとは黙っていましょう。会社側の言動はすべてメモしておきましょう。
  10. 労働組合などに相談を
    1人で悩まず、すぐに労働組合などに相談して下さい。

解雇されそうになったら!

労働組合に入って交渉したり、労働基準監督署に相談するなど方法はいくつもあります。

しかし、労働問題の専門家ではない方が、聞きかじった知識で行動すると最善の方法を見逃してしまうかもしれません。

また、『労使対等』が原則といっても、1人で頑張るには限度があります。ためらうことなく、すぐに 労働組合など専門家に相談することが大切です。

秋田県労連は、弁護士をはじめ各種専門家の協力のもと、相談に機敏に対応し問題解決にあたっています。

泣き寝入りは禁物です!

ひとりで悩まず相談を!0120-378-060